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サワシリンとは抗菌薬(抗生物質)で。淋病などの性病や肺炎などの感染症の治療薬として広く用いられています。サワシリンはカプセル状の内服薬で、治療期間中は1日数回に分けて飲みます。

ペニシリン系の抗菌薬は細胞壁を持つ病原菌に対して殺菌効果をもち、体内で病原体の増殖を阻止することで梅毒や淋病の治療に、高い治療効果を発揮します。このお薬は医療用医薬品に指定されているので、日本国内では一般向けに販売されていません。購入するためには、医師の診察を受けて処方箋を出してもらう必要があります。

性病や細菌に効果がある抗生物質

病原菌が人間の細胞に感染して体内で増殖をすると、病原体に対して免疫が反応して炎症や発熱などの感染症を発症します。このような場合に抗生物質を服用して病原菌の増殖を抑えるようにすれば、体内の病原体の数が次第に減少して炎症や発熱が改善されます。人間の免疫や抗菌剤などで体内の病原体が死滅させることができたら、感染症を完治させることができます。

梅毒は梅毒トレポネーマと呼ばれる病原菌によって起こる感染症で、主に性行為によって人から人に伝染をすることが知られています。この病気は感染後に無症状の潜伏期間を経てから段階的に発症しますが、治療をせずに放置すると最終的に死に至る恐ろしい病気です。抗生物質が実用化される以前は、日本を含めて世界中で多くの人々がこの病気が原因で命を落としていました。1940年代にペニシリン系抗生物質(抗菌剤)が発売されてから治療が可能な病気になり、早期に治療を開始することで完治させることができます。

海外では治療の際に、抗菌薬を筋肉注射で投与する方法が用いられる場合があります。この方法であればたった1回の注射だけで病気を完治させることができますが、アレルギー反応の危険があることから国内では承認されていません。このため日本では、病原体が死滅するまで一定期間にわたり内服薬を飲み続ける方法で梅毒の治療が行われています。

サワシリンはペニシリン系抗生物質のひとつで、いくつかの性病や感染症に対して高い殺菌効果を発揮します。この治療薬は梅毒トレポネーマや淋菌などの性病の病原体のほかにも、グラム陽性菌・大腸菌・ブドウ球菌・レンサ球菌・肺炎球菌・インフルエンザ菌・ピロリ菌などに対しても殺菌効果を持ちます。このため、梅毒や淋病などの性病の治療以外にも、細菌の感染が原因で起こる肺炎やピロリ菌の除菌などにも用いられることがあります。この薬は幅広い種類の病原菌に対して有効ですが、真菌(カビ)には効果がありません。

サワシリンは多くの種類の病原菌に効果を発揮するため、呼吸器・耳鼻科でも幅広く使用される治療薬のひとつです。歯科治療で抜歯をした際に、化膿を防ぐ目的で処方されるケースもあります。抗菌薬はウイルスには効果がありませんが、ウイルス性の風邪をひいた際に細菌の感染症を起こすのを防ぐ目的で処方されることがあります。ヘリコバクター・ピロリ感染症の治療のためにもこの薬が使用されることがあり、7日間にわたり他の抗菌剤と併用して服用します。子供でも服用することができ、各種感染症の治療のために幅広く使用されているお薬です。

この薬は大人用は顆粒(粉薬)またはカプセル錠ですが、子供用にシロップ用細粒も販売されています。カプセルは噛まずにコップ1杯以上の水で飲み、通常は6時間おきに服用します。治療期間中は毎日薬を飲み続ける必要があり、炎症や発熱などの症状が収まった後も服用を続けなければなりません。この理由は症状が改善しても体内で病原菌が残留している場合があり、病原菌を完全に殺菌しなければ薬剤耐性菌が出現する恐れがあるからです。

ペニシリンは1940年代後半から実用化されて使用されていましたが、サワシリンは1972年に開発・発売されました。現在は先発薬の他にもいくつかの後発薬(ジェネリック医薬品)が発売されており、海外では安い値段で同じ成分が配合されたジェネリック医薬品を入手することができます。

サワシリンの成分とは?

サワシリンの有効成分はアモキシシリンと呼ばれ、これはペニシリン系抗生物質のひとつです。アモキシシリンは青カビが生成する天然のペニシリンの分子構造に改良を加えた、合成ペニシリンです。アモキシシリンはβ-ラクタム構造を持つことから、β-ラクタム系抗生物質とも呼ばれています。ちなみにβ-ラクタムの分子は、3個の炭素原子と1個の窒素原子から成る環状の骨格を中心とする分子構造を持ちます。

アモキシシリンが開発されたのは1972年で、40年以上にわたり感染症に治療に用いられてきました。これは1960年代に開発された合成ペニシリンのアンピシリンと比較して分子構造や抗菌効果の点でよく似ていますが、アレルギー反応を起こしにくくしたり腸からの吸収率が高くなるように改善が加えられています。有効成分が腸で吸収されるので、手軽に使用できる内服薬(飲み薬)で投与することができます。

アモキシシリンの殺菌作用の仕組みですが、細菌の体の一部である細胞壁の合成を阻止する働きを持ちます。梅毒トレポネーマや淋菌などの病原菌は細胞壁を持ち、細胞が浸透圧によって破裂をしないように守るという非常に大切な役割を果たしています。菌の細胞壁は、細胞壁ペプチドグリカンと呼ばれる蛋白質によって構成されています。細胞内にペプチドグルカンを合成するための細胞壁合成酵素があり、この酵素の働きによって細胞壁が作られます。

アモキシシリンは細胞壁合成酵素と結合する性質を持ち、酵素が正常に働かないようにします。細胞壁合成酵素が活性を失うとペプチドグルカンの合成がストップしてしまうので、細胞壁を作れなくなってしまいます。ペプチドグルカンの合成ができなくなると細胞壁が薄くなり、浸透圧によって水分が細胞内に流入して破裂(死菌)します。細胞分裂の際も細胞壁を必要とするので、ペプチドグルカンが生成できないと増殖をすることができなくなります(静菌作用)。アモキシシリンは細胞壁を薄くする作用があるため、殺菌作用も持ちます。

人間や動物の細胞は細胞壁を持たないので、アモキシシリンの影響を受けることがありません。ただし、真菌(カビ)や細胞壁を持たない病原菌(マイコプラズマ)に対しても殺菌効果を持ちません。クラミジア・トラコマチスは細胞壁を持ちますが、ペプチドグルカン以外の成分で構成されています。そのため、β-ラクタム系抗生物質ではクラミジア感染症に対して効果はありません。

サワシリンの有効成分のアモキシシリンは、ペプチドグルカンを持つ病原菌に対してのみ殺菌作用を持ち、ほかの細菌や人間の細胞に対しては影響を及ぼすことがありません。これにより、治療の際に副作用を少なくすることができるというメリットがあります。

梅毒の治療は、初期の段階でも2~4週間にわたり毎日抗菌薬を服用する必要があり、病状によっては数ヶ月にわたり薬を飲み続けなければなりません。抗菌剤は体内の善玉菌も殺菌してしまうので、腸内の細菌バランスが崩れます。そのことによって下痢などの副作用が発症しやすくなります。有効成分はペプチドグルカンを持たない細菌や真菌に対しては抗菌作用を持たないため、病原体以外の細菌に対する影響が少なくなるというメリットがあります。

サワシリンの有効成分は梅毒や淋病の病原菌に対して抗菌作用を持ちますが、人間の細胞や他の細菌に対する影響が強すぎないという特徴を持ちます。他の抗生物質と比較すると、アモキシシリンが有効な細菌の種類は中程度です。